イスラエル農業の研究開発

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点滴養液栽培

点滴養液栽培潅水システム

栽培箱

土なしのパーライト培地 点滴養液栽培

イスラエル

農業部門の研究はほとんどすべて、農民と研究者との協力による研究開発に根ざしている。整備された普及サービスシステムのおかげで、研究結果は素早く実地に実験され、何か問題があれば解決のために直接科学者のところへ持ちこまれる。農業の研究開発はまず、農業省に属する農業研究機関が行なう。

イスラエルの農業研究機関は、国連の食料農業機構と密接な連絡を取りながら、外国とも情報交換をはかっている。乏しい水、荒れた土地、限界のある労働力を効果的に利用することで、農業の方法に革新をもたらした。

水資源の節約の諸技術は、数多くのコンピューターに制御された灌漑システムの開発を促した。 主なものとして、水の流れを直接植物の根のある部分に向ける点滴灌漑システムがある。また、集中的な研究の結果、西部ネゲブにある、塩分を含む水の巨大な地下貯水池の利用に成功した。これによってヨーロッパや冬場のアメリカ向けに最上質のトマトなどの作物が生産されている。

その他、動物の健康を増進させ、作物の収穫を上げるために水を電磁的に処理する技術の開発もある。実験によれば、磁気処理された水を飲む牛はミルク産出量が上昇し、この水を与えられた子牛は、適正条件下で育てられた子牛より成長が12%早かったそうだ。

また、磁気発生装置を通過した水で灌漑された土壌は、通常の土壌より栄養物質を多く含んでいる。イスラエルで開発されたバーミキュライトという物質からなる土を、摂氏1000度に加熱すると通気性がよくなり、その重量の何倍もの水分を貯蓄できる。これを通常の土壌に1〜2割混ぜると、トマトは30%、キュウリは45%も収穫量が増えるのである。


 イスラエルでデザインされたコンピューターが、日常の複雑な農業活動の調整に利用されている。例えば、すべての環境要因をモニターしながらの肥料注入、最小限のコストで最大の収穫量を期待できる家畜飼料の混合、養鶏のために適切な温度、湿度設定などがコンピューターで管理されている。  加えて耕作、種蒔き、植え付け、収穫、仕分け、梱包のための様々な農業機器も開発、製造している。 農業もまた一般科学研究や研究開発の発展による恩恵に浴している。例えば、自動組織培養装置、生物学的殺虫剤、疾病に強い品種の開発や生物的肥料などがある。

砂漠のなかで育つトマト

砂漠のなかのハウス群れ

砂漠のなかで育つ 9色 カラーピーマン

砂漠のなかで育つ花

点滴養液栽培コスト安い資材の開発

イスラエルの農業

主は水と肥料一緒送るの点滴チューブ潅水の利用

砂漠の真なかで土耕点滴養液栽培

イスラエルは、乏しい水と砂漠という不利な条件を克服し、多年に及ぶ苦闘の末に世界の先端をいく農業を育てあげた。

19世紀後半、ユダヤ人たちが父祖の地に再定着を開始したとき、まず初めに不毛の荒野に開拓のクワをおろすことから着手しなければならなかった。 イスラエルが独立してから、耕作地は110万エーカーとなり、潅漑地も60万エーカーに増えた。

この間農業共同体(キブツ、モシャブなど)の数は400から750に増えたが、都市化現象のため農村人口は12%から6%ほどに滅っている。現在イスラエルは食糧のほとんどを自給している。

一部輸入に依存しているのは、穀物、オイルシード、肉、コーヒー、ココア、砂糖であるが、農産物輸出のほうがずっと多い。農産物は、乳製品、鶏肉、各種切花、果物、野菜などが主力である。

冬期には、温暖地域の特性を利用して、輸出用のバラ、カーネーション、メロン、トマト、キュウリ、胡椒、いちご、キウイ、アボカドなどが生産されている。イスラエルの農業が発展した背景には、生産者である農家と研究機関との密接な協力関係がある。

潅漑技術、新しい品種、革新的な機械化技術などの分野で、応用側と研究開発側との交流が盛んである。GNPに占める農業の割合は、11%(1950年)から4%(1991年)に減少している。

一方、輸出に占める農業製品輸出の割合は、60%から4%となった。もっとも、新しい農業分野の導入によって多様化したおかげで、絶対額は2000万ドルから6億ドルと、30倍に拡大している。